ピラティスで骨盤の前傾・後傾を整える|医療資格者が解説する正しい方法と効果

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反り腰や猫背が気になる…骨盤の歪みをどう整えたらいいかわからない…

こんなお悩みはありませんか?この記事では、骨盤の前傾・後傾の原因や、ピラティスで骨盤を正しく整える方法を専門的な視点でわかりやすく解説します。
PILATES YOGA &a(アンドエー)の知識と実践をもとに、姿勢や腰痛に悩む方が「自分の身体を理解して整える」ためのヒントをお届けします。

\監修者/
髙木裕矢

髙木裕矢

PILATES YOGA &a 統括マネージャー。スポーツチームの専属メディカルトレーナーとしてキャリアをスタート。PHI Pilates、柔道整復師(国家資格)、NASM-PES(全米スポーツ医学協会パフォーマンス向上スペシャリスト)の資格を保有し、現在は&aにて年間1800セッション以上のレッスンを担当。プロスポーツ選手やインストラクターからも定評のあるトレーナー。

骨盤前傾・後傾とは?

骨盤の役割と姿勢の関係

骨盤は上半身と下半身をつなぐ身体の中心軸であり、姿勢を支える「土台」のような役割を持っています。日常生活での姿勢や動作のクセにより、骨盤が前に傾いたり後ろに倒れたりすると、背骨のカーブが崩れ、腰痛や肩こり、猫背などの不調が起こりやすくなります。特にデスクワークや長時間のスマートフォン操作は、骨盤の傾きを強める大きな要因です。身体の機能を根本から改善するためには、まず自分の骨盤の状態を理解することが大切です。

前傾と後傾の違い

骨盤の「前傾」は、お腹が前に突き出るような姿勢で、腰が反りやすく、腰椎への負担が大きくなります。一方「後傾」は、骨盤が後ろに倒れ、背中が丸くなり猫背になりやすい状態です。どちらも筋肉のバランスの乱れが原因で起こります。

反り腰・猫背の特徴

反り腰では、太ももの前側の筋肉(大腿直筋や腸腰筋)が過剰に働き、腹筋やお尻の筋肉が弱まりやすくなります。逆に猫背では、腹筋が過度に緊張し、お尻の筋肉や太ももの裏側(ハムストリング)が使われにくくなる傾向があります。これにより体幹の安定性が失われ、姿勢が崩れていきます。

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骨盤の傾きが与える影響

骨盤の傾きは、見た目だけでなく、体の機能にも大きな影響を及ぼします。腰痛や肩こり、冷え、むくみ、便秘などの慢性的な不調の多くは、骨盤の歪みと関係しています。特に骨盤前傾は、反り腰による腰椎の圧迫を引き起こし、骨盤後傾は猫背や呼吸の浅さにつながることがわかっています。

ピラティスは姿勢アライメントの改善に有効であることが近年の研究で示されています。2024年のシステマティックレビューでは、ピラティスが頸椎から腰椎までの脊柱アライメントを整え、全身の姿勢バランスを改善する効果が確認されています。
参考論文: Li F, et al. “Effects of Pilates on Body Posture: A Systematic Review.” Arch Rehabil Res Clin Transl. 2024. PMCID: PMC11447755

骨盤が歪む原因

筋肉のアンバランス

骨盤の歪みは、特定の筋肉が過剰に働き、反対側が弱まることで起こります。代表的なのが、太ももの前側にある腸腰筋大腿直筋の過緊張です。これらが骨盤を前に引き出す力となり、前傾姿勢を強めます。一方で、骨盤を後ろから支える臀筋群ハムストリングが弱くなると、骨盤が安定しづらくなります。この筋バランスの崩れが、腰や背中の痛みの原因につながることもあります。
筋肉の使い方のクセを整えることが、歪みを防ぐ第一歩です。

腸腰筋・ハムストリングの関係

腸腰筋が縮まりすぎると、骨盤を前方に傾ける「骨盤前傾」を起こします。逆に、ハムストリングが硬くなると、骨盤が後ろに引かれる「骨盤後傾」を招きます。どちらも柔軟性と筋力のバランスが崩れることで起きるため、ストレッチと適切なトレーニングを併用して整えることが大切です。

生活習慣による影響

在宅勤務や長時間のデスクワーク、育児での抱っこ姿勢などは、骨盤をゆがめる代表的な要因です。長く同じ姿勢で座ると、骨盤が後方に傾き、背中や腰の筋肉に常に負担がかかります。また、座面の高さや足の位置が合っていない椅子も、知らないうちに骨盤を歪ませる原因になります。日常的に立ち上がる・体をひねるなど、動きを増やすことが、骨盤の安定を保つポイントです。

在宅勤務や育児による姿勢の崩れ

在宅勤務では、ノートPCやスマートフォンを長時間見下ろす姿勢が続きやすく、腰椎が過剰に伸展します。これが反り腰や骨盤前傾を助長します。
育児中の抱っこや授乳では、片側の腰に重心が偏るため、骨盤のねじれが起こりやすくなります。これらの姿勢を放置すると、慢性的な腰痛や体の左右差へと発展します。

腰痛と骨盤の関係

骨盤の歪みは腰部の筋緊張や関節への負荷を増やし、慢性腰痛を引き起こす要因となります。

ピラティスが慢性的な腰痛改善に有効であることは、国際的なシステマティックレビューで示されています。Cochrane Database of Systematic Reviews(2015)の分析では、ピラティス実施群は通常の運動群に比べ、腰痛スコアと機能改善の両方で有意な効果を示しました。
参考論文: Yamato TP, et al. “Pilates for low back pain.” Cochrane Database Syst Rev. 2015. PMCID: PMC8078578

この研究結果は、腰痛の改善においてピラティスが単なる運動療法ではなく、骨盤を中心に全身の筋肉を協調的に使うことが重要であることを示しています。

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ピラティスを継続することで感じる変化

  • 腰のハリや痛みが減り、立ち姿勢が安定する
  • 仕事や家事の疲れにくさを実感できる
  • 「骨盤が動く感覚」がわかるようになる

骨盤の歪みは誰にでも起こる身近な問題ですが、正しい知識とケアで必ず改善できます。

自分の骨盤タイプを知る

壁立ち・仰向けテスト

骨盤が前傾か後傾かを判断するには、まず壁立ちテストがおすすめです。壁に背中をつけて立ち、かかと・お尻・肩甲骨・後頭部を壁に当てます。このとき、腰と壁のすき間に手のひら1枚分のスペースができるのが理想です。
すき間が広すぎる場合は前傾、手のひらが入らない場合は後傾の傾向があります。仰向けに寝てチェックする場合も、腰の浮き具合を確認しましょう。

スマホでセルフチェック

鏡やスマートフォンを使って自分の姿勢を撮影するのも効果的です。横から撮影して、耳・肩・腰・くるぶしが一直線になっているかを確認します。腰の位置が前に出ている場合は骨盤前傾、腰が丸くなり背中が後ろに倒れている場合は骨盤後傾です。

研究でも、自分の姿勢を「可視化」することで意識改善につながると報告されています。2020年の研究では、ピラティスを継続して行った学生が、姿勢認識能力と柔軟性が向上したことが示されました。
参考論文: Atilgan E, et al. “Examining the postural awareness and flexibility changes in physical therapy students who took Clinical Pilates class.” Pak J Med Sci. 2017. PMCID: PMC5510118

前傾・後傾タイプの見分け方

タイプ 特徴 主な原因
骨盤前傾タイプ お腹が前に突き出る/腰が反る 腸腰筋の過緊張・ハムストリングの弱化
骨盤後傾タイプ 背中が丸い/お尻が下がる 腹筋の過緊張・臀筋の弱化

この表を参考に、自分の姿勢の特徴と照らし合わせてみましょう。筋肉のアンバランスを把握すると、今後のエクササイズの方向性が見えやすくなります。

セルフチェックから改善へ

前傾タイプは、腹筋とお尻を活性化して体の前後バランスを整えることが大切です。後傾タイプは、腸腰筋や太ももの前側をしっかり伸ばし、背筋を使える状態に戻すのがポイントです。
日常の中でも、立ち姿勢や座る姿勢を意識的に正すだけで、骨盤は少しずつ中間位置へ戻ります。

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セルフチェックのポイント

  • チェックは「リラックス姿勢」で行う
  • 朝と夜で姿勢が変わることがあるので、同じ時間帯で比較すると◎
  • 体調や気分によっても姿勢は変化します

自分の骨盤タイプがわかると、ピラティスで「どの筋肉を使い、どこを緩めるか」が明確になります。次の章では、ピラティスを通して骨盤を整える仕組みを詳しく解説します。

ピラティスで骨盤を整える

体幹と骨盤の安定性

ピラティスの基本は、身体の中心である体幹(コア)を安定させることにあります。骨盤は、体幹と下半身をつなぐ「ハブ」のような存在であり、動きの起点です。体幹が安定すると、骨盤が不要に前後へ傾くことが減り、正しいアライメント(配列)が保たれます。
骨盤の安定=姿勢と動作の安定につながります。ピラティスでは、腹横筋・骨盤底筋・多裂筋・横隔膜といった深層筋を同時に使い、骨盤を自然に支える力を高めていきます。

筋バランスを整える仕組み

多くの人は、日常のクセによって「使いすぎている筋肉」と「使えていない筋肉」が存在します。ピラティスの動きは、身体の左右差や前後差を感じ取り、弱い部分を再び働かせることに効果的です。

ピラティスは姿勢アライメントと筋活動のバランスを改善することが複数の研究で確認されています。2020年のランダム化比較試験では、9か月間のピラティスプログラムを行った結果、脊柱の前後カーブ(sagittal curvature)が整い、ハムストリングの柔軟性が向上したと報告されました。
参考論文: González-Gálvez N, et al. “Effect of 9-month Pilates program on sagittal spinal curvatures and hamstring extensibility in adolescents: randomised controlled trial.” Sci Rep. 2020. PMCID: PMC7305121

このように、骨盤に関わる筋肉の柔軟性と安定性を同時に養うことが、姿勢改善につながります。

呼吸と意識の使い方

ピラティスでは、深い呼吸を通して身体の内側を整えます。胸式呼吸をベースにしながら、横隔膜を上下に動かし、腹圧をコントロールします。
呼吸と動きを連動させることで、インナーマッスルが自然と活性化し、骨盤が中心に戻る感覚を得やすくなります。単なる筋トレではなく、「意識的に使う」ことが再教育となるのがピラティスの特徴です。

整体との違いと再教育

整体やマッサージでは、一時的に筋肉をゆるめて骨盤の位置を整えることができます。しかし、それは“受け身の調整”にすぎません。ピラティスは、自分の力で正しい動きを再学習する“能動的な調整”です。
身体の使い方を再教育することで、整った状態を維持できるのが最大の特徴です。身体を意識的に動かす習慣が身につくと、日常生活でも自然に美しい姿勢を保てるようになります。

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ピラティスが骨盤に効果的な理由

  • 深層筋を使って“自分で整える力”が育つ
  • 骨盤と体幹の連動がスムーズになる
  • 呼吸を通して、心身のバランスも整う

骨盤を整えるには、筋肉を鍛えるだけでなく、意識の使い方が重要です。次の章では、実際にどのような感覚で動けば「整う」を体感できるのかを、イメージを交えて紹介します。

心と身体を整えるイメージレッスン

小さな動きで整う感覚を掴む

ピラティスでは、大きな動きよりも小さな動きに意識を向けることが大切です。例えば、背中をマットに預けながら骨盤をゆっくり転がすだけでも、筋肉の働きや呼吸の深さが変化します。この繊細な感覚が、身体の“軸”を再び感じ取るきっかけになります。
感じることを優先する動きが、ピラティスが「整える」と言われる理由のひとつです。

「整える」感覚の記憶を思い出す

現代の生活では、デスクワークやスマートフォン操作などにより、身体の微細な感覚に鈍くなりがちです。ピラティスでは、呼吸と動作を丁寧に観察しながら、自分の中にある“自然な動きの記憶”を呼び戻していきます。初めてでも「ここが自然」「この位置が心地いい」と感じる瞬間が生まれるはずです。

動画で体験する“整う”ピラティス

実際に身体を動かしてみると、感覚の理解がより深まります。PILATES YOGA &aが監修する動画「はじめてのピラティス・レッスン 骨盤を整える」では、呼吸と共に骨盤をゆっくり動かすことで、筋肉と心の緊張を解き、自然なバランスを取り戻すレッスンを体験できます。

監修:PILATES YOGA &a / 実演:西畑亜美

姿勢が変わると、心も軽くなる

骨盤が整うと、呼吸が深くなり、身体の内側にゆとりが生まれます。それは、心にも自然な落ち着きをもたらします。姿勢の変化は、自己肯定感や感情の安定にも影響するといわれています。
ピラティスの動きを通じて身体の中心を感じられるようになると、「自分を支える感覚」が芽生え、日常の動作や思考までが柔らかく整っていきます。
整った身体は、穏やかな心をつくる——ピラティスはその感覚を思い出させてくれます。

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レッスン前に意識してほしいこと

  • 「正しく」より「心地よく」を大切に
  • 息を止めずに、動きと呼吸を合わせる
  • 完璧を目指さず、感覚を味わうつもりで動く

ピラティスは、体を動かすだけでなく、自分の感覚と向き合う時間です。

骨盤から整う毎日へ。PILATES YOGA &a(アンドエー)

骨盤の前傾や後傾、姿勢の崩れに悩む方にとって、正しい身体の使い方を学び直すことは、根本的な改善への第一歩です。PILATES YOGA &a(アンドエー)では、身体の構造を理解しながら、自分の力で「整う」感覚を取り戻すことを大切にしています。
一人ひとりの身体や生活背景に合わせたプログラムで、忙しい毎日の中でも無理なく続けられる時間を提供しています。呼吸が整い、姿勢が変わることで、自然と心も軽くなる——それが&aが提案する“整う”という体験です。

PILATES YOGA &a(アンドエー)が選ばれる理由

洗練されたスタジオ空間 – 自然光が差し込む開放的な空間に、音や香りまで細部まで拘った心地よい環境。リラックスしながらピラティスに集中できる環境を提供。
本質を追求したピラティス医療系国家資格を持つインストラクターが在籍し、一人ひとりに合わせた専門性の高い指導を提供。
ピラティスのプロフェッショナルが学ぶスタジオ – ピラティスインストラクターが技術向上のために学びに訪れる、質の高いピラティス専門スタジオ。ピラティスの専門家はもちろん、アスリートもパフォーマンス向上に訪れる。

まずは体験レッスンへ

PILATES YOGA &a(アンドエー)では、初めての方でも安心して体験できるレッスンをご用意しています。理学療法士をはじめとする医療系国家資格者が、あなたの姿勢・骨盤の状態を丁寧に確認しながらサポートします。
気づかないうちに癖づいた身体の使い方を見直し、呼吸と共に動くことで、身体が自然に整っていく感覚を体験してください。
一度の体験が、身体の軽さと心の変化を実感するきっかけになるはずです。

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PILATES YOGA &a(アンドエー)

PILATES YOGA &a(アンドエー)には、理学療法士、柔道整復師、鍼灸師、指圧マッサージ師など医療系国家資格保持者が多数在籍。
ヨガインストラクターや出産経験のあるスタッフなど多種多様な視点から的確な評価と指導で痛みや不調の改善に特化したピラティスパーソナルレッスンを提供しています。姿勢改善やスタイル改善はもちろん、痛みや不調を抱える方、プロ野球選手など、初心者からプロのアスリートまでお越しいただいております。
お悩みがございましたらお気軽にご相談くださいませ。

PILATES YOGA &a

\ 書籍出版 /

書籍「はじめてのピラティスレッスン」
PILATES YOGA &a(アンドエー)が監修した書籍が発売されました。
6つの骨格に着目し(胸郭・肩甲骨・肩関節・骨盤・股関節・膝下、足部)それぞれを3ステップで整えていくプログラムです。
全国の書店、Amazon、当スタジオにて発売しておりますので、ぜひお手に取ってご確認ください。


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