要約:ピラティスは頭痛に効果があるの?
肩こりや首の緊張が関わるタイプの頭痛であれば、姿勢や首・肩の使い方のクセを整えることが体感的にプラスに働くケースがあります。ただし、片頭痛や、脳の病気などが隠れている二次性頭痛にはあてはまりません。ピラティスと頭痛の関連を直接示す研究はまだ数が少なく、効果を保証するものではないため、いつもと違う頭痛や強い痛みがある場合は、まず医療機関を受診することを優先してください。

ピラティスは頭痛にも良い影響があるのか、というご質問をレッスンでよくいただきます。
まずは頭痛のタイプを知ることから、一緒に整理していきましょう。
「肩こりがひどい日は頭も痛くなる」「デスクワークの後に頭が重い」——そんな経験から、ピラティスが頭痛にも良いのではと感じて調べている方は少なくありません。実際にレッスンの現場でも、姿勢や首・肩まわりの動かし方を見直していく中で、頭痛への不安について相談を受ける機会があります。
ただし、頭痛は原因によって性質が大きく異なり、中には医療機関での対応が必要なケースも含まれています。「姿勢を整えれば頭痛が良くなる」と単純に言い切れるものではなく、頭痛のタイプによってピラティスとの相性は変わってきます。まずはご自身の頭痛がどのタイプに近いのか、次の章から確認してみてください。
本記事の重要トピック
- 頭痛にはいくつかの種類があり、ピラティスとの相性はタイプによって異なること
- すぐに医療機関を受診すべき「危険な頭痛」のサイン
- 肩こり・首の緊張と頭痛の関係について、現時点でわかっている研究の内容
- レッスンで見られる、頭痛と関連しやすい体の使い方のクセ
- ピラティスと頭痛に関する研究の現状(限界も含めて正直に)
- 頭痛が気になる方がピラティスを取り入れる際の注意点
目次
頭痛といっても種類はさまざま|まず知っておきたいこと
一口に「頭痛」と言っても、その原因や性質はさまざまです。肩こりや姿勢と関わりが深いタイプもあれば、運動とはあまり関係のないタイプ、そして中には脳の病気やケガが背景にある、注意が必要なタイプも含まれています。ピラティスとの関係を考える前に、まずはご自身の頭痛がどのタイプに近いのかを知っておくことが大切です。
以下は代表的な頭痛のタイプと、ピラティスとの関わり方を大まかに整理したものです。あくまで一般的な傾向であり、実際の診断は医療機関でのみ可能な点にご注意ください。

すぐに医療機関を受診してほしい「危険な頭痛」のサイン
頭痛の中には、脳や神経の病気が隠れているケースが含まれます。ピラティスをはじめとする運動でのアプローチは、あくまで肩こり・首の緊張が関わるタイプの頭痛が対象であり、以下のようなサインがある場合は、運動を検討する前にまず医療機関を受診してください。
⚠ すぐに医療機関を受診してほしい頭痛のサイン
以下のいずれかに当てはまる場合は、姿勢や運動の問題として自己判断せず、できるだけ早く医療機関を受診してください。
- 今までに経験したことのない、突然の激しい頭痛
- 発熱、吐き気、手足のしびれ、ろれつが回らないなどを伴う頭痛
- 頭を打った後に出てきた頭痛
- 50歳を過ぎてから初めて経験するタイプの頭痛
- 徐々に、しかし確実に悪化していく頭痛
- 妊娠中・産後に新しく始まった頭痛
肩こり・首の緊張と頭痛の関係について、わかっていること
肩こりや首の緊張が関わるタイプの頭痛については、姿勢との関連を調べた研究がいくつか存在します。特によく指摘されるのが、頭が体より前に出てしまう「前方頭位(頭部前方突出姿勢)」と呼ばれる姿勢のクセです。デスクワークやスマートフォンの使用時間が長くなるほど、この姿勢は強くなりやすいといわれています。
この研究が示しているのは、あくまで「頭痛のある人には、頭が前に出た姿勢が多く見られた」という関連性であり、「姿勢を直せば必ず頭痛が治る」という因果関係を証明したものではありません。実際、同じ研究グループの後続調査では、前方頭位の強さと頭痛そのものの重さは、必ずしも比例しないことも報告されています。姿勢はあくまで頭痛に関わる要素のひとつとして捉えるのが適切です。
また、首の運動療法に関しては、頸性頭痛(首の問題が関わる頭痛)を対象にした大規模な研究で、運動療法によって頭痛の頻度や強さが改善したという報告もあります※1。ただし、これはピラティス特有の効果を示したものではなく、首・肩甲骨まわりの運動療法全般についての報告である点にご留意ください。
レッスンでよく見る、頭痛と関連しやすい体の使い方のクセ
レッスンの現場では、「動作改善」という視点で体を見ることを大切にしています。これは、インナーマッスルを鍛えることそのものよりも、日常の中で無意識にくり返している誤った動作パターンや代償動作(本来使うべき部位の代わりに、別の部位で無理に動きを補ってしまうこと)を見つけ、正しい動かし方に書き換えていくというアプローチです。頭痛のご相談をいただく方には、特に次の3つの傾向がよく見られます。
① 肩こり・首こりの慢性化
首や肩まわりの筋肉が常に緊張した状態が続くと、同じ筋肉ばかりが酷使され、緊張が抜けにくくなります。特にストレートネックのように頭が体より前に出た姿勢が定着していると、頭の重さを支えるために首の付け根や後頭部の筋肉が働き続けることになり、緊張がさらに強まりやすくなります。
② 呼吸の浅さ
本来、呼吸は横隔膜を中心に行われますが、呼吸が浅くなると首や肩の筋肉(呼吸補助筋)を使って呼吸を補おうとする代償動作が起こりやすくなります。これも、首・肩の緊張につながる一因になります。
③ 背骨・肩甲骨まわりの硬さ
背骨や肩甲骨まわりの可動域が乏しく体が硬い方は、本来背中や肩甲骨で作るべき動きを首だけで代償してしまい、首まわりへの負担が集中しやすい傾向があります。
こうした代償動作は、ご本人が意識していないことがほとんどです。レッスンでは、こうした動きのクセに気づき、本来使うべき部位を使えるように動作を書き換えていくことを重視しています。
💡 あわせて読みたい:肩こりと代償動作の関係
「姿勢を良くしよう」とすることが、かえって体の緊張を強めてしまう代償動作については、肩こりに焦点を当てたこちらの記事でも詳しく解説しています。
ピラティスと頭痛に関する研究の現状
ここまで紹介してきたのは、主に姿勢や首の運動療法全般に関する研究です。では、ピラティス自体を対象にした研究はどうなのでしょうか。ピラティスと頭痛の関係を直接調べた研究はまだ数が非常に少なく、現時点で「効果がある」と断言できるだけの根拠は十分にそろっていません。数少ない研究のひとつを紹介します。
この研究が示しているのは、ピラティスによって姿勢や痛みの指標が改善したという結果です。頭痛そのものの頻度・強さについては、手技療法を組み合わせたグループのほうがより大きな改善を示しており、姿勢や首・肩の使い方を整えることは、緊張型頭痛・頸性頭痛の背景にある要因への働きかけとして理にかなっている一方、ピラティス単独でどこまで頭痛そのものを軽くできるかは、今後の研究の積み重ねが待たれる段階です。「効果がない」のではなく「まだ十分に証明されきっていない」というのが、現時点でもっとも実態に近い言い方といえるでしょう。
※1 Jull G, et al. “A randomized controlled trial of exercise and manipulative therapy for cervicogenic headache.” Spine, 2002(頸性頭痛200名を対象とした運動療法・手技療法の比較研究。PubMedで確認する)
頭痛が気になる方がピラティスを取り入れる際の注意点
肩こりや首の緊張が関わるタイプの頭痛であれば、姿勢や体の使い方を見直すきっかけとしてピラティスを取り入れることを検討してもよいかもしれません。ただし、取り入れる際にはいくつか気をつけたいポイントがあります。
まず、頭痛がある最中に無理をして体を動かさないことです。特に片頭痛の傾向がある方は、運動によって症状が悪化する場合もあるため、痛みが強い日は休むという選択も大切です。また、「これをやれば頭痛が治る」という決めつけをせず、あくまで体の使い方のクセに気づき、少しずつ整えていく過程として捉えることをおすすめします。効果の感じ方には個人差があり、短期間での劇的な変化を期待しすぎないことも、無理なく続けるコツです。
💡 あわせて読みたい:猫背と頭が前に出る姿勢の関係
頭が前に出る姿勢は、猫背とも深く関わっています。姿勢のクセを整えるアプローチについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
頭痛とピラティスに関するよくある質問
Q. 頭痛がある日でもレッスンを受けて大丈夫ですか?
痛みの程度によります。軽い肩こり由来の重さであれば問題ないことが多いですが、普段と違う強い痛みや、動くとズキズキ響くような頭痛がある場合は無理をせず、レッスンを見合わせて休むか、医師に相談することをおすすめします。
Q. 片頭痛持ちですが、ピラティスをしても大丈夫ですか?
片頭痛は運動そのものが発作の引き金になる場合があるため、自己判断で始めるのではなく、まずは医師に相談したうえで、体調が落ち着いているタイミングで軽い運動から試すことをおすすめします。
Q. どのくらいの期間で変化を感じられますか?
個人差が大きく、明確な期間をお約束することはできません。まずは姿勢や首・肩の動かし方のクセに気づくところから始まり、レッスンを重ねる中で少しずつ体の使い方が変わっていくケースが多いです。
Q. ピラティスを受ければ頭痛の原因がわかりますか?
ピラティスは医療的な診断を行うものではありません。あくまで姿勢や動作のクセを整えるアプローチであり、頭痛の原因の特定や治療が必要な場合は、医療機関を受診してください。
PILATES YOGA &aが選ばれる理由
PILATES YOGA &aは、自由が丘・代々木上原・北参道・成城学園前・武蔵小杉・鹿児島の6店舗を展開するマシンピラティス専門のパーソナルスタジオです。2018年の創業から8年間、流行に左右されることなく「身体の本質」を追求してきました。姿勢や体の使い方のクセと向き合うレッスンは、こうした積み重ねの中で培われてきたものです。
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まずは体の使い方のクセを、一緒に見てみませんか?
頭痛が気になる方も、ご自身の姿勢や動作のクセを知ることから始めてみませんか。体験レッスンで、あなたの体に合った動かし方を一緒に探していきます。


